寺田心とマツコ・デラックスが出会い、サードインパクトが……「ゆめぴりか」2017年TVCM
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』において、人類と敵対する使徒たちは、第三新東京市の地下、NERV本部のリリスを目指しているとされていました。
もし使徒がリリスに接触すれば、サードインパクトが起こり、人類は滅亡するそうです。Wikipediaにそう書いてありました。
「ゆめぴりか」2017年TVCM
寺田心と、マツコ・デラックス。
出会ってはいけないふたりが、ついに対面してしまいました。
「マツコ&有吉の怒り心党」などを観ていた人にはわかると思いますが、マツコ・デラックスは"出る杭ポジション"なタレントには容赦なく、愛のある毒針を仕込んでいく人です。
致死性の毒じゃなく、なんかちょっと肌ヒリヒリするな……? くらいの毒。それでいて愛がある。
大人のタレントならいいんです。相手のキャラをいじって(マツコのイジりの愛と毒の混合率はいつも絶妙なバランス)終わりなので。
そこに、寺田心。子役のトップを走るカリスマチャイルド。
「ぶりっこ」
「猫かぶり」
「こまっしゃくれ」
「あざとい」
子役としては名声ともいえる、これらの称号。そのすべてを欲しいままにする、寺田心。
しかもマツコは寺田心について「簡単に騙されるわよ、あの辺のペラペラな大人たちが」「恐ろしい子だわ」と記者会見で言っていました。もしそんなふたりが相まみえたら、どんな悲劇が起こるのでしょうか。
芸能界でもまれているとはいえ、彼はまだ子ども。マツコの毒針を受けたら、どんな展開になるか想像できません。それこそ、『エヴァンゲリオン』のサードインパクトに匹敵する事態に……
危ない、逃げろ寺田心! こらえろ、マツコ・デラックス!! このままふたりが出会ったら、サードインパクトが……
起きませんでした。
このCMのピークはやはり、最後にマツコが浮かべた形容しがたい表情でしょう。
「えっなんでお前そんな北海道に食いついたん……?」っていう。
そういった細かな違和感に、一瞬の表情だけですべてを物語る。マツコ・デラックスの芸達者っぷりにただただ脱帽。
あるいは、あのわずかな表情筋のこわばりこそ、小さなサードインパクトだったのかもしれません……(かっこいい終わりかた)